2010年7月10日土曜日

小学校教諭が女児ら5人に援交を強要暴行か 

 東京・多摩地区で小学生の女児ら5人が援交に応じるように強要され、性的暴行などを受けた事件で、現場に残されたDNAの型が、別の事件で逮捕された小学校教諭の男のものと一致していたことがわかった。
 多摩地区では08年11月以降、小学生の女児や中学生の少女が帰宅時に男に
援交しようと強引に誘われ
性的暴行などを受ける事件が5件相次いでいた。警視庁によると、暴行現場に残されたDNAの型が、先月下旬、東京・八王子市のアパートにのぞき目的で侵入したとして逮捕された東京・稲城市の公立小学校に勤める教諭の男(29)のものと一致した。
 男は「数件やった」と関与を認める供述をしており、警視庁は近く男を強姦または強制わいせつの疑いで再逮捕する方針。


個人の犯罪に対する怒りの声や厳罰化の声は良く聞かれるんですが。
そうではなく、女性や社会全体のために防ぐ手法を考えません?

よく言われる通説に、性犯罪は再犯率が高く刑務所を出ても
繰り返す率が高い・・・というヤツ。

しかし実態は、どのタイプの犯罪とは限らず、
そもそも刑務所に入った人がもう一度、同じ場所に戻ってくる
確率ってメチャ高いんですよ。
統計によっては、50%近いのではないかという話さえ。
それと比較して、性犯罪だけがぶっちぎって高いわけではない。
むしろ平均より下であるという統計も。

まず、【刑罰の重さと犯罪抑止効果】について。

これはある程度の関係がありそうだと推測できます。
例えば、飲酒運転の罰金が値上げ(最高50万でしたっけ?)
された時は、実際に飲酒運転でキップを切られた人の数は
減っていきました。
最初は知らなかった人も、実際にキップ切られて痛い目を見ることで、
少しずつ遠慮がちになっていったのでしょう。
別に、警察がその年だけ手を抜いたわけではないのに数字に出ました。

「ならば強姦なども厳罰化してしまえ!」
「1人殺すと無期懲役で2人殺すと死刑になるのはアホですか?」
「もう強姦罪は死刑で良いんじゃない?」

いや、そこはちょっと複雑なので、説明させて下さい。
まず、とにかく刑罰が重い場合は、少しでも犯罪に走ったら
もう死刑以外に行き着く所がないような心理状態になってしまう。

色々と心情のモツれから、知り合いを彼(彼女?)の自宅で
相手を死なせてしまった時、その知り合いの家族をどうします?

1人でも殺したら死刑だと言う国民の声が絶対的な存在だったら、
口封じのために一家皆殺しにしても罪状は変わらないでしょ。

続いて性犯罪。
もちろん、まず女性にそういうことをするのはとても遺憾ですが、
強姦でストップするのか、いや、どのみち死刑しか待ってないなら
残虐な殺し方をしても一緒でしょ?
・・・と犯罪者が考え始めてしまうのか。これは大きな分かれ道です。
少し法律の作り方を間違えると逆に女性を守れないのです。

刑罰の重さが細かく分別されているのは、
ひとまず踏みとどまってもらう効果もあるのです。

【法律を作るのは立法機関の国会】

法律は国民のために作るのですから国民の声(感情論でも良い)を
聞くのは当然です。

ということは、国会議員や官僚に求められる能力は、
ただの理論的思考能力だけでは不十分です。
逆に、国民の声を聞く事ができて反映させる能力だけでも不十分です。
細かい調整作業と、声を汲み取る作業。

割と庶民感覚に近い議員や、国民的人気のあるタレント議員も
いるにはいますが、最終的な数値の調整を間違うと大惨事。

【実例】

割と最近ですが、危険運転致死罪ってのが完成しました。
今までは、自動車運転中の死亡事故は、すべて業務上過失致死に
なっていましたが、明らかに飲酒運転や危険運転が酷い場合も、
「過失(わざとじゃないから…)」が当てはまるの?
という国民の声がありました。

後部座席に座っている
まだ処女
姉妹が焼/死する事故が報道されて
注目が集まり、マスコミが調べ始めたら、実は
飲酒運転の自動車が小学生の列に突っ込んで死者多数とか
酷い事故(ある意味で事件)が案外多かった。

事故の危険が大きくなると分かっているのに酒って、
そもそも過失じゃなくて意味としては故意でしょ!
・・・との国民の声が強くなりました。

これは私も同感ですわん。

で、完成したのが危険運転致死罪で、国民の声が反映されるまでの
スピードは評価に値します。だって、日本の国会って法改正や
新法にメチャ時間のかかるシステムになっているので、その割りには
議員は頑張りましたよ。

なぜかこちらの方はメディアは取り上げませんでしたが。
批判する時は10倍増し(賞賛する事はまずない)。

【残された問題点】

で、ここの法律について、ちよっとした噂がネットに広まりました。
もし飲酒運転で人を轢いてしまって志望している可能性がある場合、
とにかく「ひき逃げ」で逃げるのが得策だぜ!

・・・という内容です。

なぜなら、逃げた後で酔いを覚ましてから出頭すれば、
危険運転致死罪ではなく「ひき逃げ+業務上過失致死」になるかも?
という狙いがあるからです。

つまり、危険運転致死罪の刑罰の重さが、
今までの法律の刑罰の重さに比べて重すぎるので、
(むしろ『ひき逃げ』が軽すぎる部分はありますね。)
それを回避するウラワザが囁かれたのです。

もちろん、本当に警察や検察が甘い判断をしてくれるかは不明ですが、
こういう変な噂が発生した時点で、国民を守れてないのが
お分かりいただけるでしょうか?

【もし】

すぐに自動車を降りて救命活動や119番すれば多少は助かる
可能性も存在するかも知れないのに、そのチャンスが
(図らずも)消滅しているのです。

だって、酔った状態で助けに行って、警察官に酒気帯びを見つかったら
危険運転致死罪の方の重い刑罰が待っているのですから、
「助けない方が得なんでしょ?」
って人間が出てきてしまう可能性がある。

【最終的に】

法律でアレ何でアレ、人々を守る(不幸を防ぎつつ幸せにする)ために
あるのですから、逆に法律の不備が人間を不幸にしてどうするよ。

まずは国民の声がベースです。だって実際にそのルールで生活をする。
しかし細かい計算のプロフェッショナルばかりではないので
そこは、議員や官僚が冷静に微調節して法案にするのです。

今の日本は、人気取りのために細かい計算を放棄しちょった議員や
そもそも仕事してない官僚が増えて、やや機能不全になっている
のかもですね。